桑田 武
8
|
名前 |
くわた たけし |
生年月日 |
1937年1月5日 |
経歴 |
荏原高−中央大−大洋−巨人−ヤクルト |
入団年 |
59年に中央大から入団 |
在籍年 |
59年−68年 |
背番号 |
59年−68年[8] |
投打 |
右投げ右打ち |
守備 |
内野手 |
|
|
:カレーライス:
荏原高校時代は3番を打っていた。4番を打っていたのは金井 武夫で寺尾中の頃から仲の良かった二人はよく相撲をとったが10番中6〜7番は桑田が勝った。なお金井はのちに大相撲で「金ノ花」というシコ名で小結にまで出世している。中大時代には駿河台の食堂でカレーライスを6杯たいらげたという逸話を持っている。4年春に東都大学MVP。
:新人王:
プロ入団時には争奪戦となったが中大のマネージャーが大洋に入社していたこともあって大洋に入団。開幕戦から4番を任されて、当初初年度の目標に掲げていた「10本塁打、30打点」を5月に達成すると、その後も打ちまくって31本塁打、84打点を放ち新人王に輝いた。31本塁打は前年の長嶋茂雄が記録した新人29本塁打を超える新人最多記録になった。同年にに阪神の新人村山
実が18勝10敗で防御率1.19という驚異的な数字を残して、沢村賞にまで輝きながら、新人王は139票対15票という大差で桑田が獲得した。この事を村山は晩年まで悔しがっていた。
:120点:
60年に就任した三原監督からは、「3打席連続三振でもいいから、4打席目にホームランを打ってくれればいいんだ。君には70点平均を望んでいない。どこかで120点を出してくれればいいんだ」と言われた。桑田はその言葉どおりにレベルスイングからアッパースイングに変えた。すると不思議なことに本塁打は半減し、打率は自身唯一の3割を記録した。
:金田から:
60年のヤクルト戦で金田の内角ストレートを三塁線を抜くツーベースにした。続く打席で金田はまたも内角にストレートを投げ込んできた、桑田はそれをはじき返し、同じように三塁線を抜くツーベースにした。すると二塁ベース上の桑田に金田が近づいてきた。「あのボールをよく打ったな。これまで俺のあのボールを続けて打ったヤツは一人もいない。お前が初めてだぞ」と声をかけられた。桑田は「自分のバッティングに自信を持ったのは、このときが最初で最後かな」
:8打数8安打:
60年4月24日に行なわれた広島とのダブルヘッダー初戦で四球を含む4打数4安打を記録すると、ダブルヘッダーの第2戦でもスリーベースとツーベースを含む4打数4安打を放って、1日で8打数8安打1四球を記録する凄まじい活躍を見せた。
:優勝へ:
60年6月29日に下関球場で行われた巨人とのダブルヘッダー。第一戦を延長12回の末に巨人の森昌彦のサヨナラ悪送球で物にしたが、第2戦は一方的な巨人ペースで2回が終わって0対5と大きく引き離されてしまった。だが選手たちは「逆転するぞ!」と声を掛け合って徐々に反撃を開始すると、8回に鈴木武のタイムリーで6対6の同点に追いつき、延長12回の裏に桑田が義原武俊からライトスタンドにサヨナラ本塁打を放ち、2試合連続で引き分け寸前の12回にサヨナラという奇跡的な一日を達成した。この日から大洋の初優勝は現実味を帯び始めた。
:1対3:
60年のオールスター、試合前のホームラン競争に出場した桑田はパリーグ三人の合計8本を、一人で上回る9本塁打を放った。水原監督は「あとの二人はもう打たなくていいぞ」と声をかけた。だがオールスターには6回出場するも本塁打は打てなかった。
:開幕2戦で:
61年には当時の日本記録である3本のサヨナラ本塁打を記録、しかも一本目は延長戦となった開幕戦で放ち、二本目はその翌日の開幕二戦目の9回二死から飛び出した逆転サヨナラスリーランだった。
:惜しくも:
64年には負担の大きいショートにコンバートされたにもかかわらず5月30日の巨人戦から6月24日の広島戦まで20試合連続ヒットを記録するなど好成績を残して161安打で最多安打を獲得。打率も自己2位の.299で打点は自己最多の96打点とメガトン打線の中軸として大活躍し、チームも優勝目前まで行ったが最終的には阪神に抜かれて1ゲーム差の2位に終わった。
:ワンヒット:
65年には8月7日のサンケイ戦でチーム唯一のヒットとなるレフト前ヒットを8回表に放つと、9月23日の巨人戦でもチーム唯一のヒットとなるセンター前ヒットを7回表に放ってノーヒットノーランを阻止した。また翌66年10月3日の阪神戦でも8回表に村山のノーヒットノーランを阻止するレフト前ヒットを放ち、61年7月23日の巨人戦でもチーム唯一のヒットを放っている。
:大型サード:
主にサードを守ったが、67年には内野全てに外野まで守るなどユーティリティープレーヤーぶりを発揮、だが守備はとても誉められてたものではなく、ショートを守った64〜65年には2年連続で最多エラーを記録。のちの田代、古木と続いていく大型サード達の守備がお粗末なのは桑田から続くチームの伝統である。
:移籍:
67年には巨人戦で12本塁打を放つなど27本塁打を記録して7年連続20本塁打を達成したが、68年に就任した別当監督とはウマが合わず、起用方を巡って対立し遠征先の旅館でバットを持って追いかけて取っ組み合う事件が起こるなど114打数で15安打、本塁打はわずか1本に終わった。オフシーズンになると近鉄の監督になっていた三原が獲得を打診するが桑田がパリーグを拒否して巨人に移籍。巨人では王、長嶋に続く5番として期待されたが1本のヒットも打てなかった。
::
59年、61年、66年と3度の4試合連続ホームランを記録。7年連続を含む8度の22本塁打以上を記録
:逮捕:
70年はヤクルトに移籍したが、オートレース八百長事件で逮捕。結局大洋を出てからは1本もヒットを打てず、大洋時代の68年7月17日の巨人戦の2打席目から47打席連続ノーヒットという記録を継続したまま引退となった。
:備考:
小津安二郎監督の遺作である「秋刀魚の味」のワンシーンで、白黒TVに写る桑田の姿がある。 |
|
|
その他の記録 |
200本塁打 |
67年5月18日 |
連続試合サヨナラ本塁打 |
61年4月8日-4月9日 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
59 |
60 |
61 |
62 |
63 |
64 |
65 |
66 |
67 |
68 |
69 |
70 |
|
新人王 |
● |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
1回 |
本塁打王 |
● |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
1回 |
打点王 |
|
|
● |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
1回 |
最多安打 |
|
|
|
|
|
● |
|
|
|
|
|
|
1回 |
オールスター |
● |
● |
● |
● |
|
● |
● |
|
|
|
|
|
6回 |
|
打撃成績
|
チーム |
試合 |
打数 |
得点 |
安打 |
二塁 |
三塁 |
本塁 |
塁打 |
打点 |
盗塁 |
盗刺 |
犠打 |
犠飛 |
四球 |
死球 |
三振 |
併殺 |
失策 |
打率 |
|
59 |
大洋 |
125 |
435 |
64 |
117 |
20 |
3 |
31 |
236 |
84 |
25 |
8 |
0 |
2 |
58 |
4 |
99 |
13 |
11 |
.269 |
60 |
大洋 |
114 |
392 |
50 |
118 |
15 |
7 |
16 |
195 |
67 |
16 |
3 |
0 |
4 |
44 |
3 |
72 |
10 |
16 |
.301 |
61 |
大洋 |
130 |
471 |
70 |
132 |
25 |
3 |
25 |
238 |
94 |
20 |
5 |
4 |
3 |
53 |
1 |
108 |
10 |
21 |
.280 |
62 |
大洋 |
112 |
431 |
50 |
112 |
18 |
0 |
22 |
196 |
48 |
2 |
1 |
0 |
1 |
34 |
0 |
83 |
11 |
16 |
.260 |
63 |
大洋 |
139 |
493 |
65 |
118 |
25 |
1 |
25 |
220 |
76 |
7 |
6 |
2 |
8 |
58 |
3 |
72 |
21 |
14 |
.239 |
64 |
大洋 |
140 |
539 |
75 |
161 |
30 |
1 |
27 |
274 |
96 |
5 |
6 |
0 |
5 |
49 |
3 |
81 |
13 |
30 |
.299 |
65 |
大洋 |
132 |
480 |
65 |
128 |
21 |
3 |
24 |
227 |
75 |
5 |
3 |
0 |
4 |
36 |
0 |
84 |
11 |
20 |
.267 |
66 |
大洋 |
119 |
441 |
48 |
105 |
12 |
0 |
25 |
192 |
64 |
3 |
2 |
2 |
3 |
18 |
1 |
70 |
13 |
15 |
.238 |
67 |
大洋 |
118 |
400 |
62 |
106 |
14 |
1 |
27 |
203 |
63 |
5 |
2 |
2 |
1 |
35 |
6 |
73 |
9 |
14 |
.265 |
68 |
大洋 |
49 |
114 |
5 |
15 |
2 |
0 |
1 |
20 |
7 |
1 |
2 |
2 |
1 |
13 |
1 |
34 |
5 |
1 |
.132 |
69 |
巨人 |
13 |
14 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3 |
0 |
8 |
1 |
0 |
.000 |
70 |
ヤクルト |
3 |
4 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3 |
0 |
0 |
.000 |
|
球団 |
10年 |
1178 |
4196 |
554 |
1112 |
182 |
19 |
223 |
2001 |
674 |
89 |
37 |
12 |
32 |
398 |
22 |
776 |
116 |
158 |
.265 |
|
通算 |
12年 |
1194 |
4214 |
554 |
1112 |
182 |
19 |
223 |
2001 |
674 |
89 |
37 |
12 |
32 |
401 |
22 |
787 |
117 |
158 |
.264 |
|
|
日本シリーズ打撃成績
|
チーム |
試合 |
打数 |
得点 |
安打 |
二塁 |
三塁 |
本塁 |
塁打 |
打点 |
盗塁 |
盗刺 |
犠打 |
犠飛 |
四球 |
死球 |
三振 |
併殺 |
失策 |
打率 |
|
60 |
大洋 |
4 |
15 |
1 |
3 |
0 |
0 |
0 |
3 |
1 |
1 |
1 |
0 |
0 |
1 |
0 |
2 |
0 |
0 |
.200 |
|
|
オールスター打撃成績
|
回数 |
試合 |
打数 |
得点 |
安打 |
二塁 |
三塁 |
本塁 |
塁打 |
打点 |
盗塁 |
盗刺 |
犠打 |
犠飛 |
四球 |
死球 |
三振 |
併殺 |
失策 |
打率 |
|
通算 |
6回 |
14 |
38 |
1 |
6 |
0 |
0 |
0 |
6 |
1 |
0 |
1 |
0 |
1 |
3 |
0 |
11 |
0 |
5 |
.158 |
|
|
|