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野村 弘樹



21
名前 のむら ひろき:(旧登録名:野村 弘)
生年月日 1969年6月30日
経歴 PL学園−大洋(87年D3位)−横浜
入団年 87年ドラフト3位
在籍年 88年−02年
背番号 88年−02年[21]
投打 左投げ左打ち
守備 投手
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小学校2年のときに父親にリトルリーグの広島中央リトルに入れられる。左利きだったが右のほうが守れるポジションが増えるため父親が右利き用のグラブを買ってきたが、「巨人の星」の星 飛雄馬に憧れていた野村は右利き用のグラブを無理やり右手に押し込んで左手でキャッチボールを行った。

甲子園連覇
PL学園ではエースとして立浪 和義、片岡 篤史、橋本 清らと共に春夏連覇を達成。絶対的な球威や変化球は持っていなかったため、この頃からコントロールを強く意識して低めに投げ続けた。野村は甲子園で10試合に登板して6勝0敗を記録。同年のオフには大洋の古葉監督が野村の実家のある広島にスカウト網を張り巡らしてドラフト3位で大洋入団。

初登板が初完封勝利
初年度にはオープン戦で15.1回を投げて、7安打で無失点という高卒ルーキーとは思えない活躍を見せてルーキー大賞を受賞。開幕一軍を勝ち取ったがオープン戦で痛めた腰が完治せず登板が無いまま二軍に降格となった。だが同年の10月2日広島戦で初登板のマウンドに立つと、高卒ルーキーとしては史上5人目の初登板で完封勝利を達成、また無四球完封はセパ分裂後初となる快挙だった(46年の白木義一郎以来)。

::
翌89年は開幕からチャンスを貰って33試合に登板し、先発のマウンドにも12回立ったがスタミナ不足から中盤に捕まることが多く、3勝11敗で防御率5.89と期待に応える事ができなかった。だが投げさせてもらえたおかげもあって体力がついてきた90年は無四球完投を3回記録するなど11勝6敗で防御率3.50という好成績を残した。

巨人キラー
90年には4月19日巨人戦、5月10日巨人戦、5月26日巨人戦と球団15年ぶりの巨人戦で3試合連続完投勝利を記録。そして6年間に渡って大洋戦14連勝中という大記録を更新中だった巨人先発の斎藤 雅樹と投げ合った6月5日の巨人戦では野村が2失点に抑えると、1対2で迎えた9回表に高木 豊が斎藤のストレートをあずま球場のライトスタンドに叩き込む逆転ツーランを放って斎藤の記録をストップさせた。野村は同年に巨人から5勝を記録した。

7連勝
91年は開幕第2戦を任されたが7回1失点に抑えながら先頭打者ホームランの1点のみで敗戦、次戦でも敗れて連敗スタートとなったが、第3戦で完封勝利を記録すると、そこから連勝を続けて6月にはチームが4連敗で迎えた12日の広島戦で完投勝利、次戦もチームは4連敗中だったが完投勝利、さらに4連敗で迎えた26日の中日戦は序盤でKOされて自身の連勝が7でストップしたが、中3日でマウンドに上がった30日の広島戦では完封勝利でチームの連敗を7連敗でストップと苦しいチームを一人で支えた。シーズン終盤にも白星を重ねて15勝8敗、防御率3.16を記録、チームMVPにあたるミスターホエールズにも選出された。

乱高下
92年は寮を出て一人暮らしとなり羽を伸ばしすぎた事と、左肩やひざを痛めて5勝に留まったが、ベイスターズ元年となった93年には17勝6敗で最多勝に輝き、防御率も2.51とエースと呼ぶにふさわしい成績を残した。だが翌年からは再び肩痛に苦しんで5勝5敗、4勝7敗と勝ち星が伸びなかった。

2年ぶりの完投
96年4月23日の阪神戦では7回まで2失点に抑えていたが、打線が阪神の船木の前に抑え込まれて7回表が終わって0対2。7回裏に駒田と谷繁の連打でようやく無死一、三塁というチャンスを作ったが、代打川端が三振に倒れて一死になってしまった。続く野村には当然代打と思われたが、「代える気はサラサラなかった」という大矢監督は野村をそのまま打席に送った。そして野村は船木のストレートをライトスタンドに叩き込む逆転スリーランを放った。野村は投げても9回を投げぬき2年ぶりの完投勝利と攻守に完全復活をアピールした。

大記録ならずも
97年7月1日中日戦では5回までパーフェクトピッチング。6回一死から鳥越に初ヒットを打たれたが、続く門倉を併殺打に打ち取って無失点。野村はその後も好投を続けて8回を1安打無四球という完璧なピッチングを見せた。9回は佐々木が3人で片付けて、野村−佐々木で打者27人を準完全試合を達成した。

3年連続二桁
98年には阪神との開幕カード第3戦で7回表に同点ソロを打たれたが、権藤監督に「この試合はお前にくれてやる」と言われて9回1失点に抑えて開幕3連勝に大きく貢献した。8月1日ヤクルト戦では初回に2点を失ったが、その後はゼロ更新で7回2失点に抑えて打っても3安打、2打点と活躍し3年連続で6度目の二桁勝利を達成した。9月24日の2位中日との直接対決では5安打2四球で1失点完投勝利。打っても2安打を放ちマジック9を点灯させた。

日本シリーズ開幕投手
13勝8敗で防御率3.34と素晴らしい成績を残した野村は、その安定感が認められて日本シリーズ初戦のマウンドを任された。野村は西武打線を5回まで無失点に抑えて期待に応えると、打撃でも4回裏に3連打のきっかけになるツーベース、5回裏にも駄目押しのきっかけになるツーベースと打ちまくり西武を圧倒した。結局6回、7回と2点ずつを失い7回途中でマウンドを降りたが、チームでは38年ぶりの日本シリーズ勝利投手になった。

ひじ痛
99年のキャンプでひじ痛を発症すると手術を受けたが痛みが消えず、痛みを抱えながら00年には100.2回を投げたが2勝8敗で防御率4.38に留まった。翌01年には8月5日の巨人戦で通算100勝を達成したが、ひじ痛が回復することはなく翌02年限りで現役を引退した。穏やかな笑顔も印象的だったが、先発の二日前からは外出せず次回登板に集中するなどストイックな一面もあった。

対巨人史上最高勝率
巨人戦の通算成績は25勝17敗と大きく勝ち越している。勝率.595は巨人戦で25勝以上を記録した投手の中では今中の勝率.556を大きく引き離しての歴代最高勝率。なお01年の8月5日の巨人戦では9回を投げ抜き1失点完投で通算100勝を記録するとともに巨人戦25勝を達成した。


チーム対戦成績
巨人 25勝17敗
阪神 18勝18敗
中日 17勝18敗
広島 31勝17敗
ヤクルト 9勝16敗
その他の記録
最多無四球試合 90年
初登板完封 88年10月2日



初記録
初登板 88年10月2日広島戦
初勝利 88年10月2日広島戦
初奪三振 88年10月2日広島戦
初完投 88年10月2日広島戦
初完封 88年10月2日広島戦
記録達成日
100勝 01年8月5日巨人戦






88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02
最多勝 1回
オールスター 3回


  投球成績
チーム 登板 完投 完封 勝利 敗戦 S 回数 安打 本塁 四球 死球 三振 暴投 ボーク 失点 自責 防御率
88 大洋 2 1 1 1 1 0 15.0 14 1 3 0 4 0 0 2 1 0.60
89 大洋 33 1 0 3 11 0 94.2 111 14 35 1 62 1 1 65 62 5.89
90 大洋 24 8 0 11 6 0 162.0 140 23 35 1 114 6 0 67 63 3.50
91 大洋 26 6 2 15 8 0 182.1 163 25 43 3 113 6 0 72 64 3.16
92 大洋 21 1 1 5 4 0 93.2 118 15 23 1 75 1 0 57 57 5.48
93 横浜 28 9 3 17 6 0 179.1 148 16 41 2 137 2 0 59 50 2.51
94 横浜 14 1 0 5 5 0 70.2 100 16 28 0 61 1 0 53 50 6.37
95 横浜 22 1 0 4 7 0 56.2 58 8 18 2 48 2 0 30 28 4.45
96 横浜 25 4 0 10 8 0 146.1 172 25 36 0 85 2 0 76 67 4.12
97 横浜 25 1 1 10 8 0 143.1 153 20 43 4 94 0 3 71 62 3.89
98 横浜 28 3 0 13 8 0 177.2 183 20 29 2 100 2 2 70 66 3.34
99 横浜 7 0 0 1 1 0 31.1 49 4 8 1 13 1 1 25 19 5.46
00 横浜 29 0 0 2 8 0 100.2 116 15 20 2 57 1 0 51 49 4.38
01 横浜 14 2 1 4 5 0 75.0 86 8 15 4 32 0 0 37 37 4.44
02 横浜 3 0 0 0 2 0 5.1 12 1 3 1 3 0 0 8 8 13.50
通算 15年 301 38 9 101 88 0 1534.0 1623 211 380 24 998 25 7 743 683 4.01


  打撃成績
チーム 試合 打数 得点 安打 二塁 三塁 本塁 塁打 打点 盗塁 盗刺 犠打 犠飛 四球 死球 三振 併殺 失策 打率
88 大洋 3 4 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 .250
89 大洋 34 22 2 5 1 0 0 6 2 0 0 2 0 1 0 6 0 1 .227
90 大洋 28 55 5 12 2 1 1 19 4 0 0 5 0 2 0 25 1 1 .218
91 大洋 35 60 2 9 2 0 0 11 5 0 0 7 1 0 0 22 0 1 .150
92 大洋 23 31 2 8 1 0 1 12 4 0 0 4 0 0 0 14 0 0 .258
93 横浜 29 63 4 13 5 0 0 18 8 1 0 4 0 2 0 32 0 1 .206
94 横浜 14 23 2 5 3 0 0 8 3 0 0 2 0 2 0 6 0 0 .217
95 横浜 24 12 1 3 0 0 0 3 0 0 0 1 0 1 0 2 0 1 .250
96 横浜 26 49 5 11 2 0 2 19 9 0 0 5 0 1 0 26 1 1 .224
97 横浜 28 47 1 6 1 0 0 7 1 0 0 4 0 1 0 19 0 2 .128
98 横浜 29 60 8 15 3 0 1 21 8 0 0 6 0 2 0 21 5 1 .250
99 横浜 8 8 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 4 1 1 .000
00 横浜 31 23 1 1 0 0 0 1 0 0 0 3 0 1 0 11 1 1 .043
01 横浜 14 22 2 3 0 0 1 6 3 0 0 4 0 1 0 10 0 0 .136
02 横浜 3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 .000
通算 15年 329 480 36 92 20 1 6 132 47 1 0 46 1 15 0 201 9 11 .192


  日本シリーズ投球成績
チーム 登板 完投 完封 勝利 敗戦 S 回数 安打 本塁 四球 死球 三振 暴投 ボーク 失点 自責 防御率
98 横浜 2 0 0 1 1 0 11.2 16 3 2 0 8 0 0 8 8 6.17


  日本シリーズ打撃成績
回数 試合 打数 得点 安打 二塁 三塁 本塁 塁打 打点 盗塁 盗刺 犠打 犠飛 四球 死球 三振 併殺 失策 打率
98 横浜 2 3 2 2 2 0 0 4 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 .677


  オールスター投球成績
回数 登板 完投 完封 勝利 敗戦 S 回数 安打 本塁 四球 死球 三振 暴投 ボーク 失点 自責 防御率
通算 3回 3 0 0 1 0 0 6.2 4 2 1 0 9 0 0 3 3 4.05